あっ、まだしおんくんと逢える方法がひとつだけあった! ほんのわずかだけど、未来は残されていた! あたし、世界の終わりをしおんくんと迎えるんだ!
あかねは意を決して立ち上がり、動けなくなったしおんを見下ろす父の胸元に飛び込んだ。そしてしおんを指さし父に向かって叫んだ。
「あたし……あたし……この人にひどいことをされて脅迫されてたの! それでこの人が生き残りたいからって、あたしと結婚してお父さんの家族になろうと企んでいたの!」
父は息を飲み驚いた顔をする。
「なんと、そうだったのか!」
怒りをあらわにし、目を血走らせてしおんをにらみつける父。
「貴様は極刑にしてやる! 卑猥な悪人が!」
罵倒の言葉を浴びせると同時に、がしゃんと手錠がかけられる音が響いた。
「午前二時四十五分、高槻 しおん、逮捕――」
父の勝ち誇った声が眩しい夜空に吸い込まれていった。
けれども父がしおんの首をつかみ、家の裏側に隠してあったパトカーに連れ込もうとするその隙に、あかねはしおんに最後のメッセージを送った。
「あたしを信じて――」
――届いて、お願い。
あかねは意を決して立ち上がり、動けなくなったしおんを見下ろす父の胸元に飛び込んだ。そしてしおんを指さし父に向かって叫んだ。
「あたし……あたし……この人にひどいことをされて脅迫されてたの! それでこの人が生き残りたいからって、あたしと結婚してお父さんの家族になろうと企んでいたの!」
父は息を飲み驚いた顔をする。
「なんと、そうだったのか!」
怒りをあらわにし、目を血走らせてしおんをにらみつける父。
「貴様は極刑にしてやる! 卑猥な悪人が!」
罵倒の言葉を浴びせると同時に、がしゃんと手錠がかけられる音が響いた。
「午前二時四十五分、高槻 しおん、逮捕――」
父の勝ち誇った声が眩しい夜空に吸い込まれていった。
けれども父がしおんの首をつかみ、家の裏側に隠してあったパトカーに連れ込もうとするその隙に、あかねはしおんに最後のメッセージを送った。
「あたしを信じて――」
――届いて、お願い。