素敵な王子様に出会いたい願望がしおんくんの無駄なイケメン顔を思い出させて、お姫様抱っこされている気分になっちゃっているんだ。
きっとこのイマジネーションは、神様の最後のお情けなのね……。
☆彡
はっと目を覚ますと、煌々と燃える暖炉の火が視界に映った。
「あったかい……」
あたりを見回すとそこは天国ではなく見慣れたリビングだった。毛布にくるまれている自分の姿をたしかめ、念のために布団をはいで足がついているのをたしかめ、それでようやっと助かったのだと安堵して大きなため息をつく。
視線を遠くに送ると、キッチンで父と母が小声の会話をしていた。何を話しているかはよくわからないけれど、あかねはのっそりと起き上がり声をかける。すると父と母はすぐさまあかねの元へ駆け寄ってきて顔をのぞき込んだ。
「目が覚めたのね。もう大丈夫よ」
「まったく、あれほど注意するように言ったじゃないか。危うく凍死するところだったぞ」
「あっ、あたし、どうやって助かったの?」
「憶えていないのね。高槻くんっていう男の子があなたを運んできてくれたのよ」
「ええっ! しおんくんがっ!?」
きっとこのイマジネーションは、神様の最後のお情けなのね……。
☆彡
はっと目を覚ますと、煌々と燃える暖炉の火が視界に映った。
「あったかい……」
あたりを見回すとそこは天国ではなく見慣れたリビングだった。毛布にくるまれている自分の姿をたしかめ、念のために布団をはいで足がついているのをたしかめ、それでようやっと助かったのだと安堵して大きなため息をつく。
視線を遠くに送ると、キッチンで父と母が小声の会話をしていた。何を話しているかはよくわからないけれど、あかねはのっそりと起き上がり声をかける。すると父と母はすぐさまあかねの元へ駆け寄ってきて顔をのぞき込んだ。
「目が覚めたのね。もう大丈夫よ」
「まったく、あれほど注意するように言ったじゃないか。危うく凍死するところだったぞ」
「あっ、あたし、どうやって助かったの?」
「憶えていないのね。高槻くんっていう男の子があなたを運んできてくれたのよ」
「ええっ! しおんくんがっ!?」
