灼熱の白夜よりも熱い恋をきみと

 呆然としたしおんはそうつぶやいたが、訊くまでもなかった。絶望を受け容れたくなかった。警察官の制服を纏っているその男達は、しおんを捕えるためにここにいるのは明らかだった。

「しおん、逃げて!」

 しおんの母の声が響いた。それと同時だった。その男達が家の中から飛び出してきたのは。
 
「いたぞ、『高槻 しおん』だ! 捕まえろ!」

「やば、先回りされちまった……」

 しおんはすかさず一番先頭の警察官の腹に思いっきり、蹴りを入れた。装着型筋力補助装置がすぐさま発動し、生身の何倍ものパワーで蹴り飛ばす。

「げふっ!」

 鈍い声に続いてどたどたっと倒れた音がした。警察官が将棋倒しになったようだ。

 さっと飛ぶように玄関から距離を置き、あかねの元に駆け寄るとすばやくあかねを抱き上げた。そして家の裏庭へ回り込む。あかねは振り落とされないようにとしおんにつかまり胸の中に顔をうずめる。

 しおんはブランコプターに乗り込み、逃げるつもりだ。
 
 ところが。