灼熱の白夜よりも熱い恋をきみと

「あっ、し、しおんくん!!」

「あかね、大丈夫か!」

 しおんは普通の人間とは思えない跳躍走行で瞬く間にあかねの元にたどり着いた。
 
「しっ、しおんくん、来てくれたの? ありがとう。でも逃げなくちゃ。それと今の走り方、やけに早いんだけど何?」

「あかね、ひとことの中に質問がありすぎ。でものんびりやり取りしてる暇はなさそうだね。ブランコプターで遠くに逃げよう」

「どこへ行くの?」

「どこでもいい、あかねと一緒なら。あと数日生き延びる食料ぐらいは用意したつもりだ。そのときが来たらあかねは家族の元に戻ればいい」

 そういってくるりと体を回すしおんの背には大きなリュックサックがあった。けれどもそれ以上に気になったのは、しおんの背後には手足を繋ぐように黒い金属板が張り巡らされていたことだ。

「しおんくん、この体につけてるの何?」

 するとしおんは肩越しで背中に視線を回す。
 
「あ、これね。『装着型筋力補助装置』。電動自転車みたいなものだよ。基礎体力が三倍近くまで上昇するんだ。だからほら、こんなことは簡単だ」