灼熱の白夜よりも熱い恋をきみと

 あかねは不意にバランスを崩した。
 
 グキッ! ズダン!!
 
 つまずき道端にひれ伏してしまったのだ。
 
「痛ァ~」

 立ち上がろうとすると、右足首に強い痛みが走る。ズキン。挫いてしまったらしい。

 うわ、これやっちゃった……。
 
 近くに落ちていた枯れた木の棒を拾い上げ、杖代わりにして立ち上がる。痛みで悲鳴を上げる足を引きずりながら、びっこを引きながらしおんの家へと向かう。

 もうしおんくんに会えなくなっちゃう。絶対に捕まらないで――。

 痛みで進まない足に苛立ち涙があふれてくる。幾度となく通ったしおんの家へ続く風景がじわりとにじんでくる。まるで水面《みなも》に映る地上の景色が漣《さざなみ》でかき消されるように。

 はぁはぁ。

 ズッキンズッキン。

 一緒にいたい。一緒にいたい。最後まで……。

 するとにじんだ風景の中に、高い背の人影が見えた。はるか遠くから飛ぶようなスピードでこちらに近づいてくる。

 えっ、誰? 人間じゃないみたい、あの足の速さ。

 涙を拭いてその人物が誰なのかたしかめると、あかねの表情はふわりと色づいた。