灼熱の白夜よりも熱い恋をきみと

 不公平な世の中への怒りがむらむらと湧き起こり、あかねはそれに突き動かされて父に胸中をぶつける。

「つまり、お父さんが偉い人だからあたしは助かって、しおんくんや友達はみんな死んでしまうってことなんでしょう?」

「あかね、そいつらのことは忘れろ」

 そのひとことは氷河よりも冷たく感じられた。あかねはついに怒りが抑えきれなくなった。

「やだ、そんなのできるわけないじゃない! お父さん、何言ってるの? お父さん、昔はそんなひどい人じゃなかった。夢のある人だと思ってた。あたしに『あかね』っていう名前をつけたのは、優しさを持ってほしいからなんでしょ? あたしひとりだけ助かってみんなを見捨てるなんて、できっこない!
 嫌だ、あたしそんなの嫌だ。そんなふうに生きてなんかいたくない! だったらあたし、しおんくんと一緒に世界の終わりを迎えるんだ!」

 あかねは意を決し、さっと立ち上がると父と母の横をすり抜け家を飛び出そうとする。瞬間、父の大きな手があかねのブラウスをぐっとつかむ。

「どこへ行く!」

「好きにさせてよ!!」