灼熱の白夜よりも熱い恋をきみと

 手にはティーカップとロールケーキを載せたお盆があった。

 静々としおんの部屋に足を踏み入れると、テーブルの上にお盆をそっと置いた。ティーカップの上のスプーンがカタンと声を上げた。

「そこから先は私が話すわ」

 そういってしおんの母は正座をしてあかねと向かいあう。あかねもつられて足を整える。
 
「ごめんね、これは親の都合なの。二年前、お父さんが亡くなってから、お父さんの収入だけが頼りだった私達は生活ができなくなって、でも生活保護には頼りたくなくて、どうにか生きる術を探していたの。
 その時しおんが言ったの。「俺が稼ぐから大丈夫」って。私は最初、中学生だったしおんが、自分が働くという意味で言ったのかと思ったわ」
 
「けれども俺は企業の情報をつかんでそれを元に金儲けをすることを思いついた。株の取引だよ。そのためにハッキングの技術を覚えたのはものすごいアドバンテージになった。

「株の取引き……そのためのハッキング?」

「……実は父から教わったんだ、このハッキングの技術は」

「えっ、お父さんから?」