「……実は俺の父さん、かつては一流のエンジニアだったんだ。だけど、開発に携わる技術職は給与の面でも待遇の面でもあまり良い扱いを受けていないんだ、この日本では。そして悪い病気にかかったと知り得るやいなや、経営者は父をお払い箱にした。
……ははっ、派遣社員なんてそんな扱いなんだよな、たとえどんなに腕が良くても」
「……そうだったんだ」
しおんが父の話をしたことがないのもうなずける。あかねは納得する。
「だから俺はこの日本の政治家を恨んでいる。そういう意味ではきみのお父さんもその対象だ。
だけどきみのお父さんがいなければ、俺はきみと出会うことができなかった。それにこんなに俺が望む特別な女性に育ててくれたんだ。だから感謝してるよ」
真顔でそういわれて顔を赤らめるあかね。けれども気を取りなおして続ける。
「じゃあ、しおんくんは政治家の裏の所業を暴くためにハッキングをしているわけ?」
「いや、一番の目的はそうじゃないんだ。ほんとうは……」
すると部屋の扉がかたんと開いた。目を向けるとそこにはしおんの母が立っていた。はじめて見る、笑顔の消えた顔。
……ははっ、派遣社員なんてそんな扱いなんだよな、たとえどんなに腕が良くても」
「……そうだったんだ」
しおんが父の話をしたことがないのもうなずける。あかねは納得する。
「だから俺はこの日本の政治家を恨んでいる。そういう意味ではきみのお父さんもその対象だ。
だけどきみのお父さんがいなければ、俺はきみと出会うことができなかった。それにこんなに俺が望む特別な女性に育ててくれたんだ。だから感謝してるよ」
真顔でそういわれて顔を赤らめるあかね。けれども気を取りなおして続ける。
「じゃあ、しおんくんは政治家の裏の所業を暴くためにハッキングをしているわけ?」
「いや、一番の目的はそうじゃないんだ。ほんとうは……」
すると部屋の扉がかたんと開いた。目を向けるとそこにはしおんの母が立っていた。はじめて見る、笑顔の消えた顔。

