ねぇ、先輩。もっとこっち向いて

そういえば、卓球部の練習場所って三年フロアだっけ?



行ってみよっかな



どうせ卓球なんてつまんないけど.......



そう思いながら少し三年フロアを歩いたら、やはり卓球の台がいくつか置いてあった。



卓球部はしっかり台とか出すのか。いや、それが当たり前か。



もうバレー部があんななら部活なんて入らない。そう思いながらも一応ここまで来たんだ。



仮入部しておこうと思い、卓球部の先輩に声をかけようとした。



..........あれ?女いなくない?



まだ来てないだけか?え、誰にこえかければいいの?



呆然と立ち尽くしていた私に、一人の背が高い男の人が声をかけてきた。



「仮入部ですか?」



「えぁっ」



「あ、そうです」



「じゃあこれ、ラケットです。それとボール」



「あ、ありがとうございます」



「じゃあ、もうちょい人来るかもだから、部活始まるまでちょっとまってて。」



「分かりました」





_________え、地味



これが卓球部?陰キャの私にめっちゃお似合いじゃん。



まさかこんな先輩が地味だとは思てなかった。さっきの部長かな?



地味すぎでしょ。女慣れしてない感半端なかったよ?



めっちゃ声小さいし。なんか少し安心した。こんな運動部あったんだ。



別に入るつもりはないけど、ここは私が一番入りやすい運動部かもしれない。