しばらく先輩の言葉を消化できずに混乱していた。
これがバレー部?なにこれ、ただの合コンじゃん
わたしの期待は一瞬にして絶望に変わった。
先輩たちは一人残らずサボっている。ネットを出してすらいない。練習してる人なんていなかった。
「.......ふざけんな」
そう言って私は思わず体育館から飛び出してきてしまった。
「あ、ちょっと凛!」
でかい声で私の名前を呼ぶ美鈴にも耳を傾けずに、私は涙をこらえるために必死に走った。
違う。こんなんじゃない。
別に、漫画のような部活動を求めてなんかなかった。
私はただ、六人でちゃんとしたバレーをしたかっただけだ。チームが弱くも気にしなかった。
もう、たった一人で静かに練習することはないと思っていたのに............
「あんな状態じゃ、何にもできないにきまってる..........」
そう呟いて走った末に、知らない場所に来てしまった。
「......もう、どこなのここ」
周りは背が高いひとばかり。もしかしたら三年フロアかもしれない。
