「どう?一組は」
「好きになりそうな人いる?」
小学校とは比べ物にならないくらいの複雑な校舎を歩きながら、美鈴が急にそんなことを言い出した。
____________そういえばいなかった。誰も目に留まらなったな。
まったくそんなこと考えてなかったけど、確かに中学校といえば青春だ
こんな人見知りの私にいい出会いなどあるのだろうか?
「.........」
いや、考えられん。普通に異性と喋れないし。あれ、そもそも同性とも喋れなくない?..........
「あぁ、出会いはなかったのね」
と笑う美鈴。
「いや普通に悲しいんだが?」
「一応私も青春願望はあるんだけど.......」
「青春願望とは?」
そう言ってまた笑いだだす美鈴。ほんとにツボが浅いんだから.....
