入学式。周りは他の人の様子を伺ったり、とにかくそわそわしていた。
そして私もしていた。......いや、私の場合は絶望かな
_____誰もいない
とにかく人見知りの私は、中学の友達関係は元々同じ学校だった人に賭けるしかなかったのに。
クラスに友達が、ほんとにいない
唯一仲良くなれる可能性があるのは、同じ小学だった坂野麻衣だった。
こんなんでやっていけるのだろうか。そんなマイナス思考が頭から消えてくれたのは、放課後になってからだった。
部活だ。部活だ部活だ。
どんな先輩がいるのかな。わくわくが止まらない。仮入部ってなにするのかな。放課後になってからはそれしか頭にない。
胸を躍らせ、早歩きでバレー部がいる体育館に向かった。
一人で歩いていたら、途中でやっと登下校メンバー兼バレー仲間の山田美鈴と出くわすことができた。
「美鈴!よかった。やっと知ってる人に会えた。」
「おぉー凛も仮入部?一緒に行かない?」
「行く!」
少しほっとしながらも、また早歩きで体育館に二人で向かった。
