「さて梨夜さん、まずは貴女の学力を教えてください。直近のテストの結果とか」

「私は・・・最近まで学校行ってなくて・・・それでテストの結果とかは・・・」

「あら、不登校、ということですね」

結局柳也さんは帰ってしまわれました、・・・裏切り者。

風紀委員というのは風紀、学園の秩序を守るところ。

そこのトップの方が不登校という言葉に反応しないはずがない。

「不登校とは感心しませんが、まぁこの学園には関係のないことですから不問としましょう」

「詩依、君もだいぶ丸くなったね。委員長になりたての頃だったら3時間くらい説教していたと思うけど」

「先輩!いきなり現れるのは心臓に悪いのでやめてください。まったくいつもどうやってこの会議室に入ってくるのか」

「どうやってって普通に入り口のドアから入ってきてるよ、ノックはしてないけど」

「・・・???」

「あ、梨夜さん、こちらの方は先代の風紀委員長です。一見するといい加減な方の様に見えますが元風紀委員長です」

「ふーん、君があの羽藤君が言っていた受験生の女の子だね、ふんふん、良い子そうでなによりだね」

そう言って顔を思いっきり近づけてくる。
おでことおでこがくっつきそうな距離まで、それでいて視線はまっすぐに私を見つめてくる。

「あの・・・、先輩さん?そのぉ・・・顔がとても近いのですが」

「先輩!梨夜さんが困っていますから離れてください!」

「えぇ別にいいじゃないか、良い匂いするし」

「い、・・いい匂い!?」

「先輩!セクハラで訴えられますよ。警察呼ばれたらさすがのわたくしでもかばいきれないですからね、風紀委員会初の逮捕者が先代の風紀委員長とか笑えないですよ」

「ちぇっ、わかったよ」