優輝は、優しいね。 ――優しすぎるくらい、優しいね。 「…あ…。 あそこ、あたしの家」 「おー! 思ったより早かったな」 「うん…。 優輝、こぐの速いんだもん」 「ははッ」 案の定、家に明かりは灯っていない。 いつもは悲しくなるのに、 今日は悲しくないよ。 優輝のおかげだね。