「俺等、今日初めて話した気がしねぇよな〜」


優輝が自転車のペダルの速度を速めながら言った。



「――そうだね」


あたしも、同じことを感じたよ。



しばらく経って、あたしの家にもだんだん近づいてきた。



「優輝、大丈夫?
疲れたでしょ??」


あたしの家までの帰り道は、
幸い急な傾斜はなかったけれど、
部活で疲れている体には堪えるよね。


「平気。つーか余裕っ!
全然息上がってないっしょ??」

「うん…まぁ…」

確かに優輝は、
ビックリするくらい…
息が上がってない。

「こんくらい部活より全然ラクだし
気にすんなっ」

「…ごめんね」

「バーカ
謝るとこじゃない」

「うん…ありがとう」