ドクン…ッ 急に、自分の名前が 愛しく感じられた。 あたしには可愛すぎて、 あんまり好きじゃなかったこの名前。 好きな人に名前を呼ばれるだけで、 こんなにも嬉しくなるなんて。 ―――キーンコーンカーンコーン…… 昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。 「あ、5限始まる。 じゃあなっ!」 「あっうん!」 あーあ。 もっと昼休みが長ければいいのに。