「……俺も。自分の中に違う自分がいるみたい」
まさに思春期の特徴が高橋と俺には表れてる。
親は思春期に突入した子供気持ちを考えてくれているのだろうか。
子供のためにしたことでも、その子供からすれば余計なことだってある。
俺からしたら、今はそっとしてほしい。
ただでさえ、こんなにも不安なのにもっと大きなことを押し付けられたら、爆発してしまう。
「高橋、話してくれてありがとう。少しだけ気が落ち着いた気がするよ」
「俺の方こそ話を聞いてくれてありがとう。多分やけど、あんまり親しくなかったけん話せたことかもしれん」
「あーそうかもな」
そう笑って返した。
もし、それならこの関係性に感謝だな。
「じゃーな山瀬」
「また来週な」
靴箱から出て校庭から教室の方向を見ると、教室から手を振る高橋の姿が見えた。
まだ教室にいるんだな…と思いつつも、感謝の気持ちをよ込めて大きく手を振った。