私は毎年、七夕が近づくと洋服かけから浴衣を出して、叔母さんちに向かう。なぜなら、毎年、叔母さんに着付けを習う。それとは別の目的がある。それは、幼なじみと毎年、浪花神社の七夕祭りにお互い、浴衣で一緒に行っていた事である。私の浴衣姿にあなたはいつも照れている。そして、私はそんな照れているあなたの顔を見つめている。私は慣れない浴衣に戸惑いながら、あなたに手を引っ張られ、人混みをかき分けながら、神社の境内に向かって走っていた。階段の途中で止まると、空に花火がきれいに咲いていた。そして、あなたは、私に耳元で「好きだよ」
と囁くとほっぺにキスをしてきた。