「璃子は、亡くなったお姉さんの代わりに登生を育てる。母親になるって覚悟をしていたんじゃないのか?」
「そうよ、もちろん」

どんなことがあっても私が登生を育てるつもりだった。
だから銀行もやめて、2人で暮らしていた。

「じゃあ何で急に」
「登生には私しかいないと思ったから、私が親になるつもりだったわ。でも、父親が現れれば話が違う」
「父親?」

キョトンと私を見る淳之介さん。
この期に及んでも嘘をつきとおすつもりなのかと、腹が立ってきた。

「私、知っているのよ。姉と淳之介さんが付き合っていたことも、淳之介さんに付き合っている人がいることも。何なら証拠の写真でも見せましょうか?」

バックから取り出したお姉ちゃんと淳之介さんが映った写真をテーブルに置き、スマホで女性とホテルに入るところを映した画像を出して見せる。

「これは・・・」

おなかの大きなお姉ちゃんと一緒に写った写真を手に淳之介さんは言葉をなくした。

「これでもまだ、姉とは仕事以外での面識がないって言い張りますか?」
もしそうなら、私は淳之介さんを軽蔑する。