その後、私は麗華から例の写真を分けてもらった。

いくら目を凝らして何度見直しても、お姉ちゃんと映っているのは淳之介さんにしか見えない。
と言うことは、やはり登生は淳之介さんの子供。
今日の朝まで信じて疑わなかった人を急に信じられなくなって、私は正直途方に暮れていた。

「璃子、大丈夫?」
私の顔つきが変わったことで、麗華が心配そうに覗く。

大丈夫かと聞かれれば、全然大丈夫ではない。
でも、今は仕事中。どれだけ無理をしてでも、頑張るしかない。

改めて写真を見ながら、あんなに疑った荒屋さんの言うことは嘘ではなかったんだと思った。
一体私は何を見て何を信じていたのだろう。
そして、何が真実なのだろう。

本当なら、今すぐにでも淳之介さんに確認したい。
しかし、もし『本当は僕の子だよ』とでも言われたら私は立ち直れない。
そして、誰よりも淳之介さんに懐いている登生を傷つけることになってしまう。
それは避けないといけない。