【短編】純恋



ピピピピピ。

目覚ましの音で目がさめた。

朝8時。休日にしては起きるのが早い。

いつもならお昼まで平気で寝ているから。

あたし、今日を待ちわびていたのだっ。

なぜって、今日は午後からデートだから。

小学生でデートって、考えるとちょっと変な気分だけど、中学生のつもりでいればいいんだ。

というか実際、中学生だっていえば通ると思う。

あたしの身長が160cm。タケは162cmだし、童顔って言われた事もないし。

鼻歌を歌いながら、ごはんを食べてシャワーを浴びた。

普段こんな事しないけど、初デートだもん。

それなりにしなきゃ…と思うし。

ちなみに今日の服はガーリー系だ。

あたしがボーイッシュに挑戦したのは結局あの日だけ。

まだ10時だけどまず寄りたい所があるので、家を出た。


公園に着くと、あたしはベンチに座った。

タケの家の近くの公園。

家にいるより、ここにいた方が楽しい。

木がさざめく音。風がふくと舞う葉。

インドア派のあたしには新鮮でたまらないこの景色。

時間が過ぎるのを忘れてしまう。