『はいはーい』
3コール目で奈子は出た。
「今日、友樹の様子が明らかに変なんだけど」
バスルームの方向をチラチラ確認しながら、早口で喋る。それなのに奈子は、
『香澄から電話くるの待ってたんだよー。こっちから掛けるタイミングが分かんなくてさー。友樹がいる時に掛けられても困るでしょ?』
なかなか聞きたい話をしてくれない。『どうでもいいよ、そんなこと』という言葉が喉元まできていたが、それすら今はどうでも良い。友樹は長風呂ではない。時間がない。
「今日、学校で何があった? 手短にお願い。友樹、今入浴中なんだけど、出てくるの早いんだ」
『手短は難しいよ。香澄、今からちょっと出て来れない?』
奈子に話の要約を断られた。サクっと話せる内容ではないことが、学校で起きたということだろう。
3コール目で奈子は出た。
「今日、友樹の様子が明らかに変なんだけど」
バスルームの方向をチラチラ確認しながら、早口で喋る。それなのに奈子は、
『香澄から電話くるの待ってたんだよー。こっちから掛けるタイミングが分かんなくてさー。友樹がいる時に掛けられても困るでしょ?』
なかなか聞きたい話をしてくれない。『どうでもいいよ、そんなこと』という言葉が喉元まできていたが、それすら今はどうでも良い。友樹は長風呂ではない。時間がない。
「今日、学校で何があった? 手短にお願い。友樹、今入浴中なんだけど、出てくるの早いんだ」
『手短は難しいよ。香澄、今からちょっと出て来れない?』
奈子に話の要約を断られた。サクっと話せる内容ではないことが、学校で起きたということだろう。



