21トリソミー

「おはよー。朝食、もうすぐ出来るよ。顔洗っておいでよ」

「はーい」

 今日もいつも通りの友樹。普段通りに仕事へ行き、いつものように誰かのお弁当を食べるのだろうか。

 ぼーっと友樹が向かった洗面所の方を眺めていると、『チン』というトースターの音がして、パンが焼けたことを教えてくれた。

「そうだそうだ、まだ朝食出し終わってないじゃん」

 ほっぺたを叩いて自分を鼓舞しながら、トースターからパンを取り出しバターを塗ってお皿に乗せた。

 しばらくすると、洗顔と着替えを済ませた友樹がダイニングに戻ってきた。

「いただきまーす」

 椅子に座り、早速食パンに齧り付く友樹。

「友樹、あのね。私、在宅ワーク始めようと思ってね、いろいろ応募しちゃった」

 友樹の向かい側に座り、スマホの画面を見せながら応募した求人を見せる。