21トリソミー

 今から眠りにつけたとしても、どうせすぐに起きて朝食の支度をしなければならない。それなら起きてしまえ。と、布団から出た。

 顔を洗い、着替えをしてキッチンに立つ。が、朝食を作るには早すぎる。

 ……お弁当、作る時間はたっぷりあるのに。だけど、私は作ってはいけない。無職だから。養ってもらっている以上、友樹が『いらない』と言ったものは【いらないもの】なのだ。

 ……そろそろ働きだそうかな。

 お弁当女の邪魔をしたいから働くなんて、動機として馬鹿げているとは思う。でも、友樹とその女の仲をどうしても裂きたい。

 今まで私が就活をしなかったのは、精神的に参っていたのもそうだけれど、また妊娠したらすぐに産休を取らなければならなくなることを懸念したからだ。