二人でベッドに入り、友樹が隣でスース―と寝息を立てた時、今なら指紋認証出来るのではないか? と何度も考えたが、やはり行動に移せなかった。
何気に私は石橋を叩いて叩いて、一番固そうで安全と思える道を歩きたいタイプなのだ。
不安と悲しみと怒りで、じわりじわりと目に涙が溜まり、到底眠れる状況ではない。
だから何度も無意味に寝返りを繰り返す。
右に回転しては、また左へ戻り、ゴロゴロゴロゴロと回り続け、全く眠れないまま朝五時になった。
隣で妻がガサゴソと動きまくっているのに、友樹はぐっすり寝ている。
指紋認証、イケるんじゃないか? 諦めきれないしつこい私が心の中で囁いては、小心者のもう一人の私がやっぱり止めた。
何気に私は石橋を叩いて叩いて、一番固そうで安全と思える道を歩きたいタイプなのだ。
不安と悲しみと怒りで、じわりじわりと目に涙が溜まり、到底眠れる状況ではない。
だから何度も無意味に寝返りを繰り返す。
右に回転しては、また左へ戻り、ゴロゴロゴロゴロと回り続け、全く眠れないまま朝五時になった。
隣で妻がガサゴソと動きまくっているのに、友樹はぐっすり寝ている。
指紋認証、イケるんじゃないか? 諦めきれないしつこい私が心の中で囁いては、小心者のもう一人の私がやっぱり止めた。



