家の中で常に暗く、泣いてばかりの私に、友樹は触れようとしなくなった。

 友樹は『またチャンスはある』と言っていたが、そのチャンスは触れ合わなければ起こらない。

 誰だって、こんな面倒な人間と関わりたくないだろう。だから、友樹が私を抱きたくならない気持ちは分かる。

 私が変わらなければいけない。

 だけど、自分の心の立ち直らせ方が分からない。

 誰か、倒れ込んでいる私の心を掴んで、無理矢理直立させてくれないだろうか。

 

 心の立て直しが出来ないまま、半年が過ぎた。



「……香澄? だよね? 久しぶり。元気?」

 スーパーでトイレットペーパーを籠に入れていると、後ろから声を掛けられた。