21トリソミー

「弟の知能は小1程度だから、はたしてそこまで考えているかどうか……。それに、そういう施設って数が少ないんだよ。定員オーバーになったら値段の高いところに入れるしかない。だから今無駄遣いせずに必死に貯めてる」

「……そっか」

 昨日今日ちょっと調べただけの私の情報など、奈子の役に立つわけもなかった。

「……だけど」

 奈子が言いにくそうに接続詞を口にした。

「うん?」

「そんな弟がいながら、なんで私が実家を出て一人暮らしをしているか分かる? 実家にいた方がお金貯められるのに」

「……親が生きているうちは自由に暮らしたいからとか?」

 奈子のクイズに在り来たりな答えしか出てこない。多分……というか、絶対に不正解だ。こんな単純な答えではないだろう。