「え……?」
「味だって【後味】があるじゃない? 香にだって【残り香】がある。だったら気持ちにだって同じような何かがあっても不思議じゃないと思うけどな。後味とか残り香って、人によって感じ方が違うじゃん? たいしたことないと捉える人もいるし、気になって集中力を削がれる人もいる。香澄ちゃんは多分後者なんだと思う。大丈夫よ。後味も残り香もいずれ消えるから。どうせ香澄ちゃんも判子持ってないんでしょ? 無理に今書かなくていいよ」
弁護士さんが私の手からボールペンをスルリと抜き取った。
「……あぁ、そうか」
弁護士さんの話が妙にしっくりときた。私の躊躇は、過去の愛情の残像がまだ色濃いからなのかもしれない。
「味だって【後味】があるじゃない? 香にだって【残り香】がある。だったら気持ちにだって同じような何かがあっても不思議じゃないと思うけどな。後味とか残り香って、人によって感じ方が違うじゃん? たいしたことないと捉える人もいるし、気になって集中力を削がれる人もいる。香澄ちゃんは多分後者なんだと思う。大丈夫よ。後味も残り香もいずれ消えるから。どうせ香澄ちゃんも判子持ってないんでしょ? 無理に今書かなくていいよ」
弁護士さんが私の手からボールペンをスルリと抜き取った。
「……あぁ、そうか」
弁護士さんの話が妙にしっくりときた。私の躊躇は、過去の愛情の残像がまだ色濃いからなのかもしれない。



