「……いくら? 俺が松岡さんの分も払う。だから、彼女には請求しないで」
この期に及んでも、友樹は松岡さんを庇った。
「あのさ、香澄。アンタはこんなこと言われても友樹と離婚しないの?」
友樹のクズっぷりに「ゴミはさっさと捨てないと、家ってどんどん汚れるからね」と私に離婚を勧める奈子。
「……でも、赤ちゃんが生まれるんだよ」
私は友樹とふたりでこの子を育てたかった。まだ見ぬ我が子の頭を撫でるように、自分のお腹に手を当てる。……育てたかった? 自分の気持ちが過去形になっていることに気付く。私は友樹とふたりで子育てしたかったけど、今は……?
「友樹がいないと何が心配?」
奈子が私の顔を覗き込む。私は、何が気掛かりなんだろう。友樹の気持ちが戻ってこないことははっきり分かって、諦めをつけられるほどには至らないけれど、腹落ちはした。だったら何が?
この期に及んでも、友樹は松岡さんを庇った。
「あのさ、香澄。アンタはこんなこと言われても友樹と離婚しないの?」
友樹のクズっぷりに「ゴミはさっさと捨てないと、家ってどんどん汚れるからね」と私に離婚を勧める奈子。
「……でも、赤ちゃんが生まれるんだよ」
私は友樹とふたりでこの子を育てたかった。まだ見ぬ我が子の頭を撫でるように、自分のお腹に手を当てる。……育てたかった? 自分の気持ちが過去形になっていることに気付く。私は友樹とふたりで子育てしたかったけど、今は……?
「友樹がいないと何が心配?」
奈子が私の顔を覗き込む。私は、何が気掛かりなんだろう。友樹の気持ちが戻ってこないことははっきり分かって、諦めをつけられるほどには至らないけれど、腹落ちはした。だったら何が?



