21トリソミー

「とりあえず、座って」

 奈子にうんざり気味の友樹が、私たちにソファに座るよう促す。

 友樹の実家なのだから、間違いなく友樹の家なのだが、誰の持家かと言ったら友樹のお義父さんだ。とても細かいことではあるが、自分が買った家かの様に振る舞う友樹に、重箱の隅を突くようで申し訳ないが、『それはお義父さんかお義母さんのセリフだよ。招いたわけでも、はたまた招かれてもいないお前が言うなよ』と違和感を覚える。

「この家の主はお前じゃないだろ」

 奈子も同じことを思ったらしく、私が心に留めて飲み込んだ言葉を、何の躊躇いもなくスルリと吐いて「失礼いしますね」とお義父さんだけに断りを入れると、私より先にソファに腰を掛けた。一人だけ赤の他人のくせに。