21トリソミー

「イヤ、ちょっと待ってよ‼」

 即座に人差し指を掌の中に握り隠した。

 世間には義両親と上手くいっている人もいるだろうが、私はそれほどでもない為、身構え・心構えの時間が必要なのだ。

「イヤイヤイヤ。ここに来るまでに時間あったでしょうが。心ぐらい固めておきなさいよ」

「予め心を作っておいたところで、いざ義実家の前に立つと崩れるものなの‼ 奈子には……」

 言い返しながら慌てて自分の口を両手で塞ぐ。

「うん。全然分からん」

 無神経な私が言おうとしていた言葉を口にした奈子が、カジュアルに玄関チャイムを押した。

 奈子に嫌なことを言おうとしたから、あっさりやり返された。これでお相子。

 納得したことで覚悟も決まった。