21トリソミー

 ふたりでココアを飲んで少しまったりしてから家を出て、駅の近くに最近出来たばかりのお店で手土産を買うことに。

「こういうのはね、めっちゃオシャレなヤツを買って、こちらのセンスを見せつける先制攻撃をかまさなきゃいけないのよ」

 友樹の実家に着く前から既に喧嘩腰の奈子が、「義両親が文句も言えない様な1番オシャレな菓子折りはどれですか?」と店員さんに尋ね、困惑をさせた。ごめんよ、店員さん。

 眉毛を八の字にした、明らかに困り顔の店員さんのお勧めのお菓子を買って、いざ友樹の実家へ。

 電車で20分の閑静な住宅街に友樹の実家がある。

 電車を降りて駅を出て、友樹の実家まで歩いていると、小さな子どもを真ん中にして手を繋ぐ親子が前から歩いてきた。

 その親子とすれ違うまで、奈子は視線を下に落としたままだった。

 この街には、奈子が悔しい想いをしながら諦めた夢が詰まっていた。