21トリソミー

「何か飲む? まぁ、インスタントのヤツしかないけど」

 奈子にお茶でも出そうかとキッチンに行くと、

「イヤ、いい」

 と言ったくせに、何故か奈子もキッチンについてきた。

「何? いらないんじゃないの?」

「友樹の実家に行くときさ、何か手土産持って行くでしょ? もう買った?」

 奈子がスケベジジイの様な顔をしながらニヤニヤしだした。

「行きしなに買うつもり」

「だったら、今から弁当作って『お土産でーす。なんか最近、友樹が弁当にハマててー。良かったら召し上がってくださいな』って渡してやろうよ。あははははははー」

 奈子は、友樹の実家に行くことが楽しみで楽しみで仕方ないらしく、ニヤニヤでは収まりきらなくなり、口を大きく開けて笑い出した。もう、若干ではなくだいぶウザイ。