「そっか。それで、一人目の時に産むの反対したんだね」

「障がい者を産むことも、障がい者として生まれることも悪いことじゃない。でもね、だからと言って、誰かに我慢を強いるのは絶対に違う」

「奈子ってさ、口は悪いけどイイヤツだよね。本当は話したくなかったでしょ。ありがとうね、私のために話をしてくれて」

 テーブルの端に立てかけられていたメニューを手に取り、「奢るよ。デザート選びな」と奈子に差し出す。

「香澄のためじゃなくて、お腹の子どものため」

 照れた様子で右手の人差し指で鼻を擦った奈子が、

「じゃあ、ダブルチョコのDXパフェで」

と、遠慮のない容赦なしのオーダーをした。

「何チョコと何チョコのダブルなのか、どうDXなのか分からんけど、折角だから私も同じの頼むわ」

 店員を呼び、ランチも食べ終わってないくせに滅茶苦茶デカイパフェを注文した。