「さっきの紫陽花のどこに隠れていたのか、知りたいです。」

 「え?」

 「駄目ですか?」

 「秘密にしておいて下さいね。」

 「約束。」

 君との秘密の約束。それだけで甘い気持ちになる。

 「行きましょう。」

 手を差し出すと、君は少し恥ずかしそうに手を重ねてくれた。その手を優しく握りながら紫陽花の小路へと歩き出した。