「よかった、いた」
教室には、勉強してる子たちがいたから、私は教室のすぐ近くにあるテラスにいた。
そこに、息を切らせた山本くんが来た。
急いで来てくれたんだ。
「これ、瀬尾に頼まれて。入れ違いになったらと思って、急いだ」
差し出された本は、確かに私が山本くんを呼び出すために未知に渡した本だ。
「あ、ありがとう。山本くん、用事なかった?」
「え、俺?全然大丈夫」
「そっか、よかった。あ、あのね・・・」
いざ、その瞬間になると心拍数が上がり、顔が熱くなる。
エアコンがないテラスだというのに、上着を脱いでしまいたいくらい暑い。
「髙橋?」
早くしないと、誰か来ちゃうかも。


