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「おはよ」
『寒いねー』と手をこすり合わせながら、山本くんは私の隣で靴を履き替えている。
「あ、お、おはよ」
私は何とか返事をし、チョコが入っている鞄の持ち手をぎゅっと握りしめる。
いつどのタイミングで渡すのが正解なんだろう。
「行かないの?」
その場で動かないでいる私を不思議に思ったのか、山本くんが顔をのぞきこんできた。
私の心臓は言葉通り飛び跳ね、一歩後ずさりをしてしまった。
「あ、行く!」
少し大きい声を出してしまったけど、朝の靴箱は人が多く、すぐに吸収された。
「うん、行こ」
山本くんは歯を見せてニッと笑った。
朝から爽やかだなあ。


