「本命?・・・ないない!いたらとっくに話してるって!」
泉は、顔の前でぶんぶんと右手を左右に振る。
確かに、泉はそういうの内緒にできなさそう。
「そういう未知は?誰かいるの?」
泉が興味津々、といった感じで未知に迫る。
「え、いないよ」
未知は“当たり前でしょ”って顔をして泉に返す。
泉は、期待した答えじゃなかったみたいで、明らかに落ち込んでる。
「那奈は?山本にあげるの?」
まさかの未知からの意外な飛び火。
私はお箸ではさんだ玉子焼きを、お弁当箱の中に落としてしまった。
「あ、動揺してるー!」
泉は楽しそう。
「違う!びっくりしただけ!」
何をむきになってるんだろう。
「えー、ほんとに?あげるんじゃないの?」
もー、泉はしつこい。
もしほんとに山本くんにあげるとしても、絶対泉には言えない。


