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「じゃ、お疲れー」
「お疲れっしたー」
先に部室を出た先輩に挨拶をし、最後になった俺は部室の鍵を閉めて顧問に渡しに職員室に向かった。
夜の学校ってちょっと気味悪いけど、先生たちってこんな遅くまで仕事してるんだ。
「あ、先生、部室の鍵です」
「おー、お疲れ」
「失礼します」
「あ、山本」
鍵だけ渡して帰ろうと体の向きを変えたところで呼び止められた。
「これ、食ってけ」
そう言い、顧問は隣の席の椅子を引いて俺に座るように促した。
そこまでされたら断れない。
「あ、はい」
ゆっくりと椅子に腰かけ、机の上を見ると、小さなシュークリームが2つ、ティッシュの上に並べられている。
「消費期限が今日までなんだよー。な、協力してくれ。ほら」
『早く食え』と手のひらで勧められ、『はい』といただくことにした。


