それから、私は人の視線が気になるようになった。「人」って言っても、彼1人なんだけど。
朝、教室に入って「おはよ」って言ったとき。
授業中、つまんないなって彼が後ろを振り向いたとき。
廊下ですれ違ったとき。
ずぅーっと、彼に見られている気がする。目があっている気がする。もしかして、彼も私のこと、好きなのかな?
次は音楽の時間。うちの学校は変な構造をしているから、一度2階まで降りて、別な階段から4階まで登らないと辿り着けない。いつもみんなでバラバラと移動しているんだけど、今日はちょっと出遅れちゃった。
「はぁ、遅くなっちゃったぁ。間に合うかな?」
なんと、彼が後ろからついてきたのだ。周りに人はいない。
またしても私は彼と2人きりになれた。
落ち着け、落ち着け! と言う心の声に反して、私の心臓はドキドキと高鳴る。彼に聞こえないように…と、私は必死で手を握りこむ。
「君の笑顔が素敵すぎて、最近目が離せないんだよ。バレてた?」
「え、いや…やけに視線を感じるなぁとは思ってたけど…。」
「ほら、そうやって困った顔も全部全部素敵なんだよ。」
「う、うん。そぅかな? 全然自信ないんだけど…。」
「いや、他の男子が気づいてなくて、俺はラッキーだよ。なあ、俺と付き合ってくれないか?」
握りこぶしを開くと、音楽室の扉が見えた。
彼に告白される、なんて夢のようなことは起こらなかった。
朝、教室に入って「おはよ」って言ったとき。
授業中、つまんないなって彼が後ろを振り向いたとき。
廊下ですれ違ったとき。
ずぅーっと、彼に見られている気がする。目があっている気がする。もしかして、彼も私のこと、好きなのかな?
次は音楽の時間。うちの学校は変な構造をしているから、一度2階まで降りて、別な階段から4階まで登らないと辿り着けない。いつもみんなでバラバラと移動しているんだけど、今日はちょっと出遅れちゃった。
「はぁ、遅くなっちゃったぁ。間に合うかな?」
なんと、彼が後ろからついてきたのだ。周りに人はいない。
またしても私は彼と2人きりになれた。
落ち着け、落ち着け! と言う心の声に反して、私の心臓はドキドキと高鳴る。彼に聞こえないように…と、私は必死で手を握りこむ。
「君の笑顔が素敵すぎて、最近目が離せないんだよ。バレてた?」
「え、いや…やけに視線を感じるなぁとは思ってたけど…。」
「ほら、そうやって困った顔も全部全部素敵なんだよ。」
「う、うん。そぅかな? 全然自信ないんだけど…。」
「いや、他の男子が気づいてなくて、俺はラッキーだよ。なあ、俺と付き合ってくれないか?」
握りこぶしを開くと、音楽室の扉が見えた。
彼に告白される、なんて夢のようなことは起こらなかった。

