あれから数週間が経った。拓斗とはと言うと、次の日にもう一度電話をかけて、莉亜は話を聞かずに怒ったこと、拓斗は今までの自分の行動についてお互いに謝って和解した。それからは毎日メッセージで学校であったこと、帰りにこんなところに行ったなど他愛のない話をしている。寂しくはない。寂しくはないがどこか事務的な連絡だった。けれど莉亜はそれでもよかった。拓斗が毎日メッセージを送ってくれるだけで嬉しかった。そのはずだった。

ズーン

「どうしたの?御園さん」

「わからないかい、杉森。後少しで何がある?」

「んー、あっ期末テストだね!!」

「だねっじゃなーい!あぁ、赤点を取る自信しかない...」

｢大丈夫だいじょぶ!!今から勉強すれば全然間に合うよ!!」

「うぅ、とりあえずやるか」

夜、拓斗と電話で話していた。

「今日は学校どうだった?」

｢ もうすぐテストがあるらしいぃ...。まだ何も勉強してないからそろそろまずい」

「はは、そっかそっか。俺のところもあるよ。お互い頑張ろう」

「うん、頑張る」

「ねぇ拓斗」

「ん、なあに?」

「テストが終わったら、会いたい。だめ...かな」

「んん~、そうだな...。まぁ会いたいけどね」

「そうやってまたはぐらかすの?いつになったらはっきり言ってくれるようになるの?」

「...じゃあ逆に莉亜は会いたい会いたい言ってるけどそれ以外になんかないの」

「なんかって何」

「提案するだけじゃなくていつこの時間に会おうとか、そう言うのないの」

「そっちが曖昧な返事しかしてくれないのにそんなこと言ったって莉亜が惨めになるだけじゃん。ただでさえ断られ続けてるのにそんな事も莉亜一人がやらなきゃいけないの?少しは変わってくれたと思ったのにやっぱりそう簡単には変わらないね」

...違う。こんなことが言いたいわけじゃない。でも止まらない。今まで拓斗に対して隠していた気持ちが溢 れてくる。自然と涙が出てきた。もう何もかも止まらなくなってしまった。

「...ごめん、無神経だった。とりあえずテストが終わったら考えよう?」

「...うん。怒ってごめん」

「ん。今日は疲れただろう、早く寝よう」

「うん、おやすみ」

「おやすみ。あ、これからテストだからあんまり電話できないかもしれない」

「うん、わかった」

「じゃあバイバイ」

プツっ
これから莉亜たちはどうなるのだろう。ねぇ拓斗。あなたは莉亜のこと好き?莉亜は拓斗が好きなのかわからないよ。