ピロンッ

莉亜のスマホが鳴った。

「ん?誰だろう」

画面を覗くと真人の名前があった。
えっ石川くん ?! 連絡先教えたっけ。
急いで見てみるとメッセージが届いていた。

「クラスのグループから追加しちゃいました。よろしくお願いします」

可愛い。文章だけでここまで可愛さが出せるのはこの人だけなんじゃないだろうか。 しばらく考えた後はっと我に返り、急いで返信した。

「よろしくお願いします!!」

別に変じゃないよね、大丈夫だよね。ええい、送っちゃえ!

シュパッ

返事ひとつするだけでこんなに緊張するのはもはや何かの病気なんじゃないだろうか。好きな人に送るわけ でもないのに。そうだ、拓斗にもメッセージを送ろう。確か拓斗も今日から授業があったはずだ。

「今日学校どうだった?友達になれそうな人いそう?」

...いや母か?これでは高校で友達ができるか心配な母ではないか。もう少し彼女感ある文にしよう。

「初めての学校緊張したかな?素敵なお友達たくさんできるといいね!」
ダメだ。どう頑張っても母感が出てしまう。まださっきの文の方がいいだろう。 打ち直して送信する。自分の語彙力のなさにショックが隠せない。 きっと疲れてるんだ、今日はもう寝よ う。友達もできたし、どう界隈のヲタクの人とも仲良くなれたしきっと明日から楽しい高校生活になるよね。