「そろそろ電話の時間かな」

プルルルルル...

「お、噂をすれば。もしもーし」

「莉亜、久しぶりだね」

「そだね!」

「今日入学式だっただろ。どうだった?新しい友達はできそうか?」

「んーまぁ頑張る...あ、そういえば SAYUKI さんファンがいたの!!」

「おっまじか。よかったじゃん」

「でもその子男の子なんだよね」

「いいじゃん。仲良くなっちゃいなよ」

「お前は彼女が自分の知らない男と話していてもいいのか!!」

「莉亜は俺のこと好きでいてくれるじゃん?笑」

「っ!ばか...」

そんな他愛のない話をしていると、あっという間に12時になってしまった。

「ん、...ふあぁぁぁ...」

あ、ちょっと眠いな。

「ん、莉亜眠い?もう遅いし寝るか」

「え~、もう少し話したいのに...」

「また今度話そ!近いうちにしよう?ね?」

「はぁい。じゃあまたね...」

「うん、おやすみ」

プツ ツーツーツーツー
はぁ、終わっちゃった。早いなぁ。あぁ。

「会いたい」

そう思うのも無理はない。中学卒業後、二人は約一ヶ月会っていない。学校が遠いから一緒に下校することもできない。寂しがり屋な 莉亜にはとても辛かった。だが、会いたいなんて言ったらきっと困らせちゃう。でも会いたいなんて...どうしたらいいんだろう
.........
よし!次電話する時は会いたいってちゃんと言おう。まずは意思表示することが大事なんだ!
そんな事を考えているとあっという間に眠ってしまった。