ここからだとグラウンドだけじゃなくて、その奥にあるショッピングモールに出入りする人まで見える。
私の心を落ち着かせられる場所だった。
× × ×
「苺果ぁ!ちょ、聞いた?」
横山から気持ちが完全に離れてしばらくたったころだった。心蜜の言い出すことはいつも前置きがない。
「何を?」
心蜜はキャーキャーしながらも声を抑えて言う。
「梨々だよ梨々!あの子、例の読モくんと夏祭り行くんだって!」
それは衝撃的すぎた。進展が早すぎる…
「え、付き合ってる?違うよね?」
「うん、まだ付き合ってないけど、向こうから誘われたらしい」
心蜜の返事を聞くからには、両思いっぽい。
「それ告白じゃん!」
と素直に言うと、だよね〜と言いながら心蜜は
「それな!で、あたしこっそりついてこうと思うんだけど苺果どうする?」
なんて普通に言ってくる。
「心蜜、それストーカーって言うんだよ」
ツッコミにも動じないで、話は一段階次になっている。
「知ってるしぃ!で、どうする?」
「行かないよ」
声のトーンが落ちる。正直、興味ないんだよね。その読モくんよく知らないし。
「えぇー」
確定演出、か。
私の心を落ち着かせられる場所だった。
× × ×
「苺果ぁ!ちょ、聞いた?」
横山から気持ちが完全に離れてしばらくたったころだった。心蜜の言い出すことはいつも前置きがない。
「何を?」
心蜜はキャーキャーしながらも声を抑えて言う。
「梨々だよ梨々!あの子、例の読モくんと夏祭り行くんだって!」
それは衝撃的すぎた。進展が早すぎる…
「え、付き合ってる?違うよね?」
「うん、まだ付き合ってないけど、向こうから誘われたらしい」
心蜜の返事を聞くからには、両思いっぽい。
「それ告白じゃん!」
と素直に言うと、だよね〜と言いながら心蜜は
「それな!で、あたしこっそりついてこうと思うんだけど苺果どうする?」
なんて普通に言ってくる。
「心蜜、それストーカーって言うんだよ」
ツッコミにも動じないで、話は一段階次になっている。
「知ってるしぃ!で、どうする?」
「行かないよ」
声のトーンが落ちる。正直、興味ないんだよね。その読モくんよく知らないし。
「えぇー」
確定演出、か。


