「きいつけて!」










優依からラインをもらったこの日、

私は幼なじみの友だち、よっちゃんと神戸に来ていた。





いよいよ、その日がやって来たのだ。





待ちに待った優依に会える日。




この日は、新幹線で神戸に向かい、そのまま電車で予約していたホテルに向かった。




ホテルでチェックインを済ませ、しばらくゆっくりして過ごした。












お腹がすいてきたころ、外に出た。








 

暑すぎず、寒すぎず、ちょうどいい天気だった。









ご飯を食べ観光地に向かい、もう1組、関東から遊びに来ていた友だちと合流した。




みっちーとやす。




この2人は、美男美女の夫婦。




見た目だけじゃなく、性格もほんと美男美女。





自慢の幼なじみだ。










ひととおり観光地で遊んだあと、電車に乗った。




私は、優依に連絡を入れる。




「今出た。電車乗ってるとこ!」









もうすぐ会えると思うと、かなりドキドキした。




「わかった。ホテルまで迎えにいく!」









「な、姉ちゃんおったら嫌よな?」






優依から、突然の質問だった。








姉ちゃんおるのは、前々から知っていた。







嫌じゃなかったけど、正直、『え、まじ?』と思った。





この日は、2人で飲みに行く予定だった。






でも、2人きりで会う勇気なんて正直なかったのも事実。





私は、「姉ちゃんおるなら、私の友だちも誘うよ!」と、返信した。






結局、その日は、私の友だちと優依の姉ちゃんを入れた6人でご飯を食べることになった。






タクシーで、優依が指定した場所へ向かう。




タクシーの運ちゃんが道に迷ったため、途中から歩いて向かうことになった。




優依と電話で道を聞きながら歩いていると、「な、今駐車場の横歩いとる?」と聞かれた。




前を向くと、全力で両手を振っている人が見えた。





道の両端に立っていた街灯が完全に逆光となり、顔は見えなかったが、100%優依だとわかった。








近づくと、満面の笑みをした優依が立っていた。






約6年ぶりに会う優依。







大好きな優依。







ほんと、何も変わらない笑顔を見せる優依。











いとおしさを感じた。











優依に触れようと、思わず右手がのびた。














その私の右手を無視し、優依は私の目の前で大きく両手を広げた。








そんなんされたら、飛び込んじゃうしかない!






考える暇もなく、優依の腕の中に飛び込んだ。







「みーちゃん、会いたかった。」





そうつぶやく優依の声が聞こえた。









一生このままでいたかった。














温かい。












優依、会いたかった。






















もっと、優依の温もりを感じていたかった。









惜しみながらも優依が腕を離し、私たちを店の中へ案内した。










先を歩く私に、優依は改めて後ろから抱きつく。





『か、かわいすぎる。』





正直、顔がにやける。








店では、優依の隣に座った。





優依は、私にもたれるぐらい近かった。





横を見ると、すぐ隣に優依の顔があった。






終始、お互いの足は触れ合っていた。






しばらくして、カラオケ大会が始まった。












私たちは、盛り上がる曲をみんなで全力で歌い、店内の雰囲気を一気にかっさらった。










そのあと、なぜか私の友だちと優依が HYの「NAO」を歌うことになった。










私の隣で、私のほうを見ながら歌う優依。











「言葉一つそれだけでいいのに、


どちらとも言わないあなたを、


離したくはない離れたくもない、


他の誰かいても。。。」













歌詞がグサグサささってきた。










優依のことが大好きだと、改めて感じた。









なんで結婚なんてしたんだろう、、、。











優依ともう少し前に再会していたら、、、。















ただただそんなことを考えていた。
























神戸1日目。














その日は、それで終わった。







「また明日ね!」




店の外で、優依に声をかける。




明日は、朝から会う予定。




楽しみすぎる。












ホテルに戻ると、よっちゃんとワイン&ビールを飲み交わした。











午前3時になるころ、



優依に「おやすみ!」とラインし、



眠りに落ちた。






























その晩、私の夢に珍しく優依が登場した。












優依と私は、なにか口喧嘩をしていた。








「ごめんね。」と言う私に、優依は納得していない顔を見せていた。






喧嘩の原因はわからなかったが、夢の中でも優依に会えたことが嬉しかった。






昔、優依に「結婚してや。」と言われた夜のことを思い出した。











いろいろ考えたのち、私は



「優依とは喧嘩したくないから、結婚できない。」



と、答えていた。










それは、事実だった。








優依とは、すべての瞬間においていい関係でありたい。











夢の中で優依と喧嘩をしたことで、




夢の中で優依に謝ったことで、




案外、喧嘩しても仲直りすればいいだけかも




と、思い始めた。






















でも、

今更気づいてももう遅い。








もう少し前に気づきたかった。




















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