尾澤会長の話を聞いた朔夜先輩は激しく激怒した
『ちょっ先輩落ち着いて!!』
「どうして俺を連れて行かなかったんだ!?そいつの所へ今すぐ連れて行け!!」
「私はただ気になっただけで……っ!朔夜!とにかく座りなさい!」
尾澤会長と2人がかりで朔夜先輩を必死に押さえた
まさか朔夜先輩がここまで怒るなんて思いもしなかった
「朔夜!」
「退け尾澤!」
『先輩っお願いだから落ち着いて!……いっ』
「憂?」
つい歯を食いしばってしまったせいで頬がズキっと痛んだ
ハッとする先輩
「ごめん……大丈夫?痛む?」
「傷口が開いてしまったみたいですね。朔夜、そこにあるハンカチをお願いします」
「……わかった」
ほんの少し落ち着きを取り戻した先輩に肩を抱かれソファーへ
そして朔夜先輩は俺の口元にハンカチを当ててくれた
「……痛いよね。可哀想に」
『やられちゃった。あはは』
「笑い事じゃないよ。どうしてこんな事に……」
『えっと……ただの喧嘩だよ!俺もムカついちゃってさ』
「憂は喧嘩なんか出来ないでしょ」
『そ、そんな事ねーし!俺だってやる時はやるし』
「嘘が下手過ぎ」
「その怪我は朔夜の為ですよ」
『ちょっ尾澤会長っ!』
余計な事言うなって!
「本当?」
『や……だって先輩を利用しようとするなんて普通に腹立つじゃんか。あー思い出しただけでまた腹立って来た』
「利用?何?」
『先輩の事を紹介してくれって言われたんだ。けど明らかに金目当てで……それにあいつ、俺の体の痣の事先輩がやったんじゃないかって。まぁそれ言われる前には既に殴られちゃってたけど。元々俺の事気に入らなかったらしいし』
「俺のせいだね……」
『先輩のせいじゃない!ただ俺が勝手にムカついて生意気な事言っちゃって……弱いくせに何やってんだか』
「……大丈夫、金目当てな奴は今まで沢山見てきたから。俺の為に怒ってくれてありがとう。どうしよう、凄く腹が立ってるのに凄く嬉しい」
『えっ……』
ぎゅっと抱き締められた
それと同時に先輩の匂いがしてきて、カーっと自分の顔が熱くなるのを感じた
「……んんっ!!」
尾澤会長が気まずそうに声を出す
『先輩、肩痛い……』
「え?あっごめん」
「とにかく、この件は私に任せて下さい」
「何言ってるの?そんなの俺の気が収まらない」
「私の知らない所で何をしようが朔夜の自由ですが、知った以上私も見過ごせませんので。暴力はいけません」
「尾澤は甘過ぎる」
「私には私のやり方で……数日の猶予を私に下さい」
「その間にまた何かあったらどうするの?俺は今すぐにでも」
「憂君、頑張れますか?」
『大丈夫です』
俺はそう強く返事をした
このままだと朔夜先輩が何をするかわからない
校内で暴力沙汰はヤバい。しかも生徒会長が見てる前だなんて
「強い子ですね。私もなるべく早く頑張りますから」
『はい』
尾澤会長は優しく微笑み俺の頭をそっと撫でた
「!!」
『ちょっ!』
朔夜先輩はものすごい勢いで尾澤会長の手を弾いた
だけど、会長は手を摩り怒らずに苦笑いするだけだったんだ
「朔夜、あまり憂君を困らせてはいけませんよ?」
「わかってるよ」
『ん?』
2人の会話が俺はいまいち理解が出来なかった
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