『返せ!』
「はいはいどーぞ」
『っ!』
中から財布だけ出し鞄を投げつけられた
マジか
カツアゲなんか初めてされたし
こういう時ってどうすればいいんだ?助けを呼ぶ?取り返す?
それとも……
あーわからん!!
軽く頭の中がプチパニックになってしまった
「おっ結構入ってる」
『返せよ!……っ!』
取り返そうとしたら足を引っ掛けられ、転けた拍子に手と肘を擦り剥いてしまった
『いっ……』
「そんな騒ぐなって。借りるだけだし。ほらよ」
財布から札だけを抜き取り今度は財布を投げられた
そのまま立ち去ろうとする頭の悪そうな男2人組
どうする?
追い掛ける?
でも……
喧嘩慣れしてない俺はただ奴らの背中をじっと見る事しか出来なかった
情けない……
次の日、何事もなかったように学校に行った
クラスの連中は相変わらず俺を見て何かヒソヒソ言ってやがる
ここは女子校かっての
どうやら昨日俺と朔夜先輩が一緒に出かけてる所を校内の誰かが目撃したらしい
たったそれだけで噂される先輩って……なんだか可哀想
昼休み、また朔夜先輩が俺を訪ねて来た
「やっほー来たよ!」
また教室内が騒ついた
『ちょっ……』
「昨日メールしたんだけど届いてない?」
そう言われてハッとした
そう言えばカツアゲのせいでお礼メール送るの忘れてた……
怪我の処置したりと色々忙しかったから携帯を1度も見てなかった
『ごめん、今メールに気がついた』
「何それ。……取り敢えず中庭行く?」
『うん』
「昨日は楽しかったよ」
『俺もめっちゃ楽しかった!俺も連絡しようと思ってたんだけどうっかりしてて……』
「返信がないから心配しちゃった」
『ごめんなさい』
中庭に居た人達は朔夜先輩の姿を見るや否や皆んな散っていった
そのおかげでベンチに座れた
避けてるとかそう言うんじゃなくて皆んな遠くから先輩を眺めると言うか……
まあ気持ちはわからなくはないが
「どうしたの?」
怪我をした俺の手を見て言った
『あー……ちょっと擦り剥いちゃって』
「いつ?昨日?」
『えっと……』
「昨日?昨日俺と居た時はなかったよね?それとも今日?朝?この感じは朝ではないよね。じゃあ昨日の帰りだよね??」
カツアゲされたなんてダサ過ぎて言いたくないな……
ってか質問攻めが凄い
『ちょっと転んじゃって……鈍臭くてははっ』
「憂の元気がない。俺、そういうの直ぐわかるから」
『本当だって』
「んーー?」
朔夜先輩がグイグイ詰め寄って来る
ちょっ顔が近い……っ!
『……あひゃひゃひゃひゃっ!!!ちょっ!やめっ!!』
思いっきり両脇をこしょばされた
「何があったの?」
『やめっ!!ぶっ!!あひゃひゃひゃっっ!!わかっ!!わかった!!わかったから!!言うから!!』
俺がそう言うと先輩の手が止まった
『はぁっはぁっ……昨日……』
擽るなんて卑怯すぎる!!
だけど、観念して俺は正直にカツアゲの事を先輩に話したんだ……
すると、先輩の表情がみるみる変わっていった
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