なないろの輝きを探して

「出てきていいよ、ユキ」

家に着いた。
結局ユキはほとんど服の中から出なかった。

「暑くない?大丈夫?」

そう訊いても返ってくるわけがなく、無言でゲージに入っていく。

久しぶりに色々考えて疲れた。
人と久しぶりにあって疲れた。

久しぶりのことが多くて今日は疲れた…

今日はゆっくりしよう、そう思ってコーヒーを取りに行った。

…やっぱり。
公園の木でも、コーヒーが入ってるダンボールでも、茶色の区別がしにくくなっている。

色々あってやっぱり疲れてたんだな。

寝たら治ってるかな。

そう思いながらコーヒーを飲む。

『見える色とか、何も変わってない?』

ふとこの言葉を思い出した。
これに関わっているのかもしれない。