「ねみ。」
今は国語の授業中だ。
「なぁ、ゆうた!」
「あ?なに、今すっごい眠いんだけど。」
眠気全開の時に容赦なく話しかけて来るのは後ろの席の渡瀬海。親友でイケメンだ。
「なぁ、鈴宮ってかわいくね?」
「そうか?」
「まぁ、ゆうたは鈴宮の親友の如月が好きなんだもんねー。」
「んなっことねーし。」
海が言っていることは結構図星だ。如月こと如月優愛は、小6の終わり頃から俺が片想いをしている女子だ。小6で同じ委員会になって、だんだんと彼女の良さを知るうちにいつの間にか好きになってた。
「またまたー。こないだだって委員会の資料のことを聞きに行ったのも半分、いや8割わざとだろ。」
うっ。
「あっ、その反応は図星か、、、」
「ちょっとお前マジでぶっとばす。」
「やべっ、マジでごめんって!あ、そういえば次の時間、体育大会の競技決めだったよな?」
「あー。そうだっけ?」
「またまたー、とぼけんなって。だってお前如月と前で一緒に司会やるんだろ?本当は1週間前から楽しみにしてましたって、顔に書いてあるぞ?」
「ちょっ、聞こえたらどうすんだよ。」
「んってことは、図星だなー笑」
「マジでふざけんなって!」
『おい。』
「別にいいじゃんか。事実だろ。」
「ちげーし。」
『おい!霧島、渡瀬!』
「「やべっ」」
「やべとはなんだ?」
「「すいませんでしたー。」」
「まあいい、如月。」
「はいっ。」
「135ページの太郎の苦行はから続けてくれ」
「分かりました。太郎の苦行は長い間ー。」
はぁー。まったく。海のせいで怒られたんだけど。
「なあなあ、ゆうた。」
「なんだよ。さっき先生に注意されたばっかだろ?」
「まぁ、それよりさ。今度の土曜日あいてる?ってか、もちろん空いてるよな?」
「人の予定を勝手に決めつけるんじゃねぇ!、、、まぁ、空いてるけど。」
「土曜日ダブルデート入れといたから、よろしくな!」
「うん。わかった。、、、、、、はぁー?」
『おい、霧島いい加減にしろ!うるさいぞ!』
「す、すいません。」
はぁー。もう散々だ。
「ゆうたー。また昼休みな。」
「それはこっちからおねがいするわ。」
にしても、うみのやつまったく何考えてんだ?
ダブルデートてっ、いつの間に?
あーもー。全然授業に集中できねぇー。
はー。とにかく次の時間は失敗できない。
如月にかっこ悪いこととこ見せらんないしな。