アダンのたくましい腕に体を預けながらそう言うと「重い」と言われてしまう。だけど、振り解かれることはなかった。

「お前の家族って、どんな人なんだ?」

アダンがあたしに訊ねる。そう質問してくれたことがただ嬉しくて、あたしはアダンの抱き付く腕にさらに力を込めながら「えっとね」と言いながら話し出す。自然と顔には笑みが浮かぶ。

空に星が煌めく中、あたしは家族のことを話す。それをアダンは優しい目をしながら見てくれていた。



互いの家族・友達に恋人を紹介してから、あたしとアダンはのんびりとお付き合いを続けている。お付き合いを始めて一年ほどで同棲を始め、気が付けば交際して十年以上が経っていた。こんなにも長い時間、彼があたしの隣にいることに驚いてしまう。

あたしとアダンは三十三歳になり、あたしたちの間には三歳になる双子の男の子と女の子がいる。子どもは可愛いし、彼のことは大好きだし、幸せだなぁ。

子どもたち二人を寝かしつけた後、天使みたいな寝顔をじっくり眺め、あたしはリビングへと向かった。